イエローストーン国立公園 【小池キヨミチ】

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 2009年5月 写真家 小池キヨミチ 世界遺産イエローストーン国立公園撮影ツアー


 イエローストーン国立公園・グランドティートン国立公園撮影ツアー(2009年5月9日〜14日)
   Yellowstone National Park & Grand Teton National Park 

    参加者2名様

   2009年秋ツアー参考情報:   9月イエローストーン国立公園・グランドティートン国立公園撮影ツアー
   2009年秋期ツアー参考情報: 10月 イエローストーン・グランドティートン国立公園撮影ツアー
   撮影地情報: 世界遺産 イエローストーン国立公園


  アメリカ世界遺産イエローストーン国立公園を主体とした撮影を実施することができました。写真と共に
  紹介させて頂きます。

  例年5月末のメモリアルデー連休が旅行シーズン開始と言われていますが、シーズン前の国立公園を
  訪れる機会に恵まれました。イエローストーン国立公園は世界遺産にも指定されまた世界で初めての
  国立公園(1872年設立)としても知られています。現在、米国国立公園56箇所中でも「動」の美を見せる
  素晴らしい地域ですが、地質学関係の視点から見ると地球上最大のカルディア地域でもあり、地中浅い
  所で動くマグマが繰り広げる間欠泉活動や、地質変化による景観の個性的表情は他に類のないものと
  しても知られています。

  
雪解けで芽を出す草原を求めるバイソンたち
   
出産期を向かえるエルク雌鹿の群れ  間欠泉群に集まるバイソン              グリズリー 

  太陽の紫外線の強さを感じながらも、まだ冬から抜けきれていない渓谷からローアーフォール(2つの
  滝ががある内の下流のもので、こちらの方が落差が大で景観としても有名)をアーティストポイントの
  展望台から望む。イエローストーンは巨大な火山帯のカルディアを包み込むように保護されているため
  そのスケール感が麻痺して自分がそんなところにいることさえ気づかないで圧倒されてしまいます。
  天候に恵まれてはいましたが、渓谷部は残雪と氷がみられ風が体感気温を氷点下まで下げて出迎えて
  くれました。

 

  標高2376m にあるイエローストーン湖は 7,000フィート (2,133m)以上の標高では北米最大の淡水湖です。
  世界でも2番目に大きな湖。その西側にある West Thumb と呼ばれる入り江(これも火山活動で作られた
  もの)にある間欠泉群は、まだ凍りつき銀世界となっている湖面を背景に、そのブルーの温水の色と立ち
  上がる湯気をもって出迎えてくれました。

  

  タワールーズベルト地域の渓谷は溶岩で作られた層が様々な表情で出迎えてくれます。 溶岩が流れ
  固まって出来た谷間に見える層は、不思議な表情を現しながら話しかけてくるようにも思えます。岩に
  顔が見えてくるような凹凸がみられ、まるで古代の精霊が宿っているかのように思えます。

  
 

  ノーリス間欠泉群のトレールからは様々な躍動感溢れる「動き」が見れます。周りを取り囲むようにして
  吹き上がる噴煙(蒸気)とそのなんとも言えない力強い音を聞いていると「地球は生きている」という感覚
  同時に、自分自身の存在そのものを身体全体で体験する思いがします。熱い大地、という感覚が身体を
  通して何の理屈もなく、しかしながら力強く容赦ない現実として包み込んできます。マンモスホットスプリ
  ングスのアッパーテラスは季節前の調整のために入ることができませんでした。

  
  
  

  公園南西部にあたる地域には、オールドフェイスフル間欠泉群のほかにブラックサンズ間欠泉群や
  ローアー間欠泉群、ミッドウエイ間欠泉群、ビスケット間欠泉群(順不同)などがあります。それぞれが
  個性的な表情で出迎えてくれます。まだこれから顔を出す可能性のある間欠泉もあるでしょう。どこに
  これからどのような規模の活動があるのか。次回の訪問を楽しみにできるかもしれません。  

  

  常に蒸気やガス、そして温水を吹き上げているものや、数分、数時間、数日おきに大きなものは数十
  メートルも蒸気や温水を吹き上げるものまで、様々なミネラル分を吹き上げ、それらが結晶化しすると
  写真のような色合いで表情豊かにまるで生き物のように見えてきます。世界の3分の2近くの間欠泉が
  終結するイエローストーン国立公園には把握できないような力があちこちに感じられます。

  
  
  

立ち上がる蒸気の白さに驚かされ
風にのる硫黄の臭いに鼻が泣く
地球の中心につながるマグマの力が
染み込む水を沸き立たせ躍らせて
大地の内側を削って吹き上げる

理屈のいらぬ次元の存在があり
自然の力が訪れる者を容赦なく包む
夕日を浴びて蒸気が逆光に立ち輝き
空模様さえも変えるように舞い上がる時
古代から吹く風が身体を通りぬける

  
    

   世界遺産(世界自然遺産)に指定され、アメリカ最初の国立公園として知られるイエローストーン国立
   公園も1872年に設立されて一般開放されてから、しばらくは訪問客の愚行に悩まされた時期があった
   ようです。間欠泉に物を投げ込んだり、お土産にと削りとったりする行動が続き、また周辺に生息する
   野生動物に餌付けをすることや邪魔だという理由で殺戮的な乱獲を始めたことによってバイソンなど
   多くの野生動物が絶滅に近い打撃を受けました。先住民が狩猟をする時には、大自然への畏敬の念
   そして、感謝の念を持って必要最低限の命の犠牲を頂くことによって生きてきましたが、白色人種の
   それは単に食用を目的にするものではなく遊びとしての狩猟がエスカレートしたものがありました。
   餌付けによって人を怖がらなくなった熊が誤って人を傷つけると殺され、自然界で食物を捜すことなく
   残飯を漁る習性が身につき始めると、観光客がいなくなる冬季の食料調達ができずに命を落としたり
   健康な状態で春に備えられずに生きるしかない状態を強いられました。

   動物は生きるために必要なことをして生活します。生息地の変化にも順応して、種の保存をする本能
   そして彼らを包み込む生態系の中の役割をもって生き、死に、土に戻ります。何の意味もなくその場
   限りの好奇心などで自然を破壊する人間が、この国立公園の生態系を駄目にすると予期した学者が
   いました。David De Crancey Condonは、国立公園管理システムに問題があることを指摘して、その
   改善を呼びかけましたが、国立公園管理総督はイエローストーン国立公園の入園料や公園内の営利
   関係における収益額の大きさにのみ魅せられコンドンの忠告を聞かなかったばかりか、彼を左遷させ
   黙らたことがあります。後年彼の忠告が事実につながると他の学者の指摘で取り正され、現在に至る
   自然保護の本来のとるべき姿に近づいてきています。

   現在のイエローストーン国立公園内の自然も、乱獲で絶滅させたことによって生態系が乱れ、異常に
   繁殖していたエルク大鹿の数を「自然的に」間引き作用を再開させようという理論的対策として、数年前
   灰色オオカミ(グレーウルフ)をカナダから輸入して園内に放つことによって(理論通りに必ずしもなって
   いないらしい) グリズリー以外の天敵の存在を再生しています。オオカミの存在は大きく、エルク大鹿の
   数だけではなく、同様に野生保護されて生息するバイソン(バッファロー)の間引きにもバンランス的な
   効果を与えているようです。

   公園設立当時は軍隊が密漁や自然物破壊を防ぐために管理に当たっていましたが、内務省管轄の
   国立公園管理局設立後は、管理官(レインジャー)がその役割を担っています。しかし組織というもの
   そして権力というものが肥大化すると必ず起こる問題も生じているのは事実で、管理官による過剰な
   権限の行使へのクレームも少なくないようです。自然の行う生態系のバランスというものの偉大さを
   感じること、そして同時に人間が如何に努力しても、そのシステムは自然には及ばないことを認識した
   上で、今後自然保護というものが単なる営利目的の道具とならないよう、また国立公園創設の主旨を
   真っ当して自然保護と、それを子々孫々まで残していく義務を再認識して、より多くの人にその姿を
   みてもらえる機会を提供し続けてもらいたいと思います。

  *野生動物への餌付けは法律で禁じられています。その理由は、単に人間が怪我をしたり命を落とす
   事故を防ぐためのものではなく、動物たちが自分で食料を捜す本能を傷つけないためのものです。
   また、人間が食べる「安全」な食べ物でも、動物たちにとっては危険なものもあり得るという認識を持ち
   同様に彼らの生息地に存在しない食べ物を与えることが、どれだけ危険であるかを理解することが
   訪問者の義務でもあると思います。

   二点ほどですが、グランドティートンの山の雄姿も以下に紹介します。この山系は映画「シェーン」の
   ラストシーンの背景にも使われたようで、古い映画ファンには思い出にもなっているようですが、その
   景観は実物を見ないと分からないと思えるほどの巨大な地球の芸術という感じがします。

   ● イエローストン国立公園の紹介ページ

 

  Jacksonはグランドティートン国立公園南部にある町で、同国立公園とその北に接するイエローストーン
   国立公園へのゲートウエイタウンとして栄えています。イエローストーンへは、その東部に位置する街
  Codyからのアクセス、西部に位置するWest Yellowstoneからのアクセス、そして北部のLivingtonからの
   アクセスがあります。イエローストーン国立公園内には歴史的な宿泊施設Old Faithful Inn(オールド
   フェイスフルイン)などがありますが、Xanterra Parks & Resorts(2009年5月現在)管理のシステムに
   よる営利運営となっておりそれ故に諸問題も生じているのは事実です。


  (2009年5月)

 

 
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写真作家 小池清通 コロラド事務所
「自然とつながる時」
Kiyomichi Koike Photography
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