昨年5月に実施させて頂いたトレッキング撮影ツアーが与えてくれた好評が、本年の2回目の実施への流れとなりました。参加者は4名。ラスベガス到着後にザイオン Zion National Park まで移動して、国立公園入り口の町スプリングデイル Springdale をベースにザイオンのトレールを歩きながら撮影を楽しみました。スプリングデイルは文字通り国立公園入り口にくっついているような好ロケーションにある町で、今回のザイオンでのスケジュールにはベストなものでした。
ブライスキャニオン国立公園では一部雨による土砂崩れで閉鎖されているトレール(ナバホトレール)もありましたが、サンセットポイントからループを回りサンライズポイントまでに至る景観を楽しむことができました。レイクパウエル、グレンキャニオンを渡ってページをベースとして、ホースシューベンド(コロラド川が蹄鉄、馬のひずめのように蛇行している名所)およびアンテロープキャニオンの撮影。昨年はアッパーアンテロープキャニオンの撮影をさせてもらいましたが、本年は狭くてユニークなローアーアンテロープキャニオンの撮影ができました。
そしてモニュメントバレーでは昨年同様に The View Hotel に宿泊しバルコニーから朝日を拝ませて頂くことができました。グランドキャニオン国立公園はスケルトンポイント Skelton Point までのトレッキングを通して、通常の展望ポイントとはまったく違った目の位置からの眺望を撮影させてもらえました。9日間のトレッキング撮影ツアーの中から何点かの作品を以下に紹介致します。是非ご覧ください。
サンプル画像 撮影機材: Nikon D3s
■ ザイオン国立公園 - Zion National Park
朝の静寂の中、刻々とコントラストを強める樹木を囲むように
巨大な堆積岩の山々が覗き込むようにして迫りよる
そして朝焼けの空が明るくなるにつれて岩肌に柔らかな色合いが浮かび上がる
巨大な岩山、 聳え立ち天に伸びる針葉樹
オブザベーションポイントへと上るトレールから
ここに存在するものすべてのつながりを体感し
ザイオンの波動を感じる思いがしていた
新緑のエネルギーが撒き散らされる景観
薄暗い岩がざわめく谷底にさえ
明るい波動が押し寄せている
山と人が一体化する時
人も無意識の内に景観の一部になっていく
この時を待っていたかのように花を咲かせる野草たち
それぞれの与えられた環境の中で、毎年その「時」に備え
命の流れを継続している
■ ブライスキャニオン国立公園 - Bryce Canyon National Park
自然の芸術
侵食だと言ってしまえば単なるプロセスの結果にも思えるが
観るものを震え立たせる感動は
単にそのスケールや色彩によるインパクトだけによるとは思えない
■ ホースシューベンド - Horse Shoe Bend
馬の蹄鉄のように蛇行して走るコロラド川
人間の合理性とは無縁の自然体というものがみえる
理論だけでは説明できないものが
理論だけで説明しなくてもいいものの存在を教えてくれる
■ ローアーアンテロープキャニオン - Lower Antelope Canyon
この渓谷は1997年に上流で降った大量の水が流れ込み11人の命を奪っている
先住民ナバホ族が近代アメリカ社会の中で生き残るために、観光地としている
土地ではあるが、先祖から守り続かれた聖なる思いが各所にみられている
聖なる土地と観光地が重なっている事実は、観光収入という現実のみを
考えるならば利用価値という点で理解することはできるかもしれないが
そこを訪れるものは、彼らがもつ畏敬の念を決して忘れてはならない
砂岩性赤岩たちの描く曲線の中に気配を感じる
悠久の時の流れが創り出した造形物には
大地の気迫のようなものさえ感じられる
■ モニュメントバレー - Monument Valley Navajo Tribal Park
映画監督ジョン・フォードで有名なジョン・フォード・ポイント
未知の惑星にたどり着いたような思いに引き込むような
強大な力を感じさせる赤い大地が広がり包み込んでくる
■ グランドキャニオン国立公園 - Grand Canyon National Park
限りなく伸びるトレールを上るミュールたちのキャラバン
どうやって人が道を作ったのだろうという驚きと
ここに道を作らせようと思わせた自然の偉大さに時めきを感じる
マザー・ポイント展望台からの眺望も息を呑むものがある
(2011年5月)
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