アメリカ精神 【小池清通】

 
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 エッセイ:  サダム・フセイン

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 以前話題になっていたイラクの大統領のことである。ブッシュ大統領の親父さんが大統領をしていた時に英首相サッチャーさんに後押しされて始めたといわれるのが「湾岸戦争」であるが、結局彼の在任中にサダム・フセインとの最終的な決着がつかないままになっていた。現在の英首相ブレアーもアメリカを全面支持しているから、ブッシュ家にとっては二代に渡る戦いになるのである。「第二次湾岸戦争」はいつ始まってもおかしくない状況にあり、細菌兵器や核弾頭を研究所や工場以外のどこかにフセインが隠している可能性がかなり高いらしい。

 国連の査察団が抜き打ち調査なども含めバグダッドの主要視察や建造物をなめるようにして調べつづけている。砂漠地帯で雲がほとんどかかることのない同市上空数百キロの大気圏の外から宇宙衛星が写真を撮ってアメリカ本土に送ってくる。その映像から、掘り起したり埋めたような土壌の色や起伏に変化のある個所を査察団に送り、目を光らせている。近代技術というものはとんでもないと思わざる負えない。どこで誰に見られているか、心配して外も歩けない世の中になるのか、と考えすぎるときりがなくなる。

 さてアメリカの内面的なことに関する私の勝手な分析や意見は他のエッセイで書きつづけているが、果たして攻撃を受ける可能性が高まっているイラクの方はどうなのだろう。中東の情勢はニュースや書物から知るしか方法がないが、このイラクだけではなく以前話題になったリビアのカダフィ将軍や現在も侵略を受け続けているパレスチナ自治区のアルファト議長など、同地諸国では以前から欧米諸国との衝突が多くある。昨年9月の同時多発テロ事件に関しても、アフガニスタンがひどい攻撃を受けているが中東系のビン・ラディンが指揮を取ったと信じられている。

 前述のように私は中東諸国に住んだこともないし、訪れたこともないから偉そうに言えないが、彼らの国々ではどのようなことが起こっているのであろうか。そんな点から話を展開すると人権問題などを掲げて国連や人権擁護団体が旗を掲げて行進するかもしれないが、王国になっている国がいくつかある。国王が周りの勢力を手中に収めるために勢力者の娘と結婚をして反発を押さえるというものである。子供ができると離婚して、他の勢力を仕切る親方の娘と一緒になりまた子を成す。そんな繰り返しをして国の勢力を押さえるというのである。当然子供の数は二桁に及ぶであろう。石油などで入る収入はそれらの子供や別れた妻たちに配分しなければならないからお金は一族内だけで握ることになる。イスラム教は利益の独り占めを卑しむという。しかしながら、現実的、物理的に養わなければいけない状況を作ることによって国を治めてきたとすると、それに反してでも利益を独占して自分たちだけでも守ろうとするのであろう。だから、彼らの国では貧富の差が激しいのではなかろうか。

 日本では正妻や子供を人質として相手に差し出すことによって主従関係の裏切りがないことを保証して統治が行われてきた。あの家康も竹千代の頃は今川家に人質として出されていたのはご存知の通りである。

 本題に戻るが、イラクに関して。この国はサダム・フセインが統治している。彼の名前で、または所持物として宮殿や豪華な邸宅が立ち並ぶ。そんな彼も中東の他諸国と同様に多くの妻や前妻、そして、子供たちを養わなければいけない現実と直面しているのかもしれない。その行為が正しいかどうかという議論を刺激するのではなく、そんな状況の国が多く存在する中東地域が、西欧諸国をどのように思っているかも考える価値があるのではないかと思うのである。そうすると、世界のリーダーたる位置にいるアメリカが、自国内の問題を抱えながら、苦難や苦悩をもって国際社会における問題に対応しているのではないかという事実も見えてくる気がする。

 
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