写真ブーム エッセー【小池清通】

 
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 エッセイ(4) 友人の死

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  父の命日に中学の同級生が亡くなった。ちょうど父の法事のために帰国してコロラドに戻った時である。夜中に母から電話が入り寝ぼけた頭の中で何が起こったのか分っているようで分らなかった。ただ言葉さえ出ないまま暗闇の中で天井を見上げた。

 それは彼の亡くなる1年ちょっと前のことである。父の余命が短いと本能的に感じた私は上の息子を連れて帰国し二週間ほど一緒にいることができた。その前後に彼が中学の同級生(在郷者)を集める口実として私の帰国を利用してくれていたのである。「おい、帰国するみたいだで集まらんか?」と声をかけて回ってくれた。父が亡くなり葬儀納骨を済ませアメリカに戻った私は彼とメールで時々交信して連絡を取り合っていた。それが2月に入って途絶えたのである。「2月7日からまたロンドンに行く」というのが彼からの最後のメールになった。

 大手メーカーS社の二輪部門の主任技術者として海外出張を頻繁にこなしていた実力者であった。テレビや雑誌にも登場し技術開発の一人者として人望はもちろん業界で一目をおかれていたらしい。後から思えばメールが途絶えた頃に末期癌の宣告をされたのだと思う。

 抗癌剤をとり望みを捨てずに闘い続けた。昨年暮れには彼が集めて始まっていた同級生の忘年会にも遅れて顔を出したらしい。顔色がやけに黒く、彼は「ゴルフで日焼けしてなあ」と話をそらそうとしていたという。脇骨を骨折(癌が進行してのものらしい)していたがゴルフができるまでになったと話していた。

 そんな年末に私は歯の治療のために誰か信頼できる歯医者を紹介してもらえないかと同級生のNに連絡をとっていた。Nは同級生のFが歯科技工士をしていることを知っていたので彼の電話番号を調べようと闘病に毎日を賭けていたEに電話をしたらしい。すると普段家にいないEが電話にでたという。そんな経緯を知らずにその当時の私はFの連絡先をNから聞き自分の歯の治療に関してコンタクトをとり始めていた。

 
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