勲章 【小池清通】

 
写真家【小池清通】
 はじめに
 写真への思い
 アーカイブ
 グレイト・サンド・デューンズ
 国立/国定公園
 熱気球
 エッセイ
 エッセイ(1)
 エッセイ(2)
 エッセイ(3)
 エッセイ(4)
 自然とは(1)
 自然とは(2)
 不思議な体験(1)
 アメリカとは
 アメリカでは
 ロハス
 英語実践講座
 画像/書込掲示板
 リンク
 フロントページ
 写真家公式ページ

 エッセイ: 勲章

    題名をクリックするとエッセイのページが開きます。

     アメリカでは
        勲章
        過失
        ブッシュ
        アフガン孤児
        アフリカ孤児
        反戦の動き
        猿の山盗り
        愛国心
        無罪
        テロと医学
        健康と安全心理
        善意と虚栄
        副大統領の狩猟事故
        テロ防止対策の実態 (1)

 私は戦争を直に経験したことがないが、アメリカは「他国への戦争や干渉の多い」国だと思えるこの20年間に何度か戦争を始め、現在もアフガニスタンで交戦状態にあるらしい。そんなニュアンスの意味において「それなりの」戦争経験はしているが実戦でのそれではない。戦場で何かしらの重要な功績を残したものに勲章なるものが与えられることは聞いていたが、この「勲章」なるものに関して考えさせられることがあったので書き綴ってみようと思う。

 公式の式典などの情景を見ると軍人で勲章を受けている者は左胸にそれをつけ、誇らしげに胸を張る。言葉では表せないような威厳とも自信ともいえる味わいのある臭いのように体の芯から漂ってくるようなものを感じる。日本の戦国時代は首級を上げ、上げた首が誰のものかを首実験で確かめて功労が評価され扶地を与えられ石高を増やしてもらったりした。

 2002年の11月に天皇陛下より特別な勲章を授与された戦後生まれの人がいた。ノーベル賞をもらった田中さんという方である。地味で努力家で、好きな研究を欲にとらわらずにこつこつとやった結果発見したものが社会に貢献しているという素晴らしい評価を受けたのである。派手を好まず、研究を続け会社を通して社会に貢献したことは大きな話題となり、彼の所属する会社にも引き合いが殺到したという。久しぶりに聞く嬉しい話であった。

 勲章。私などにはどうひっくりかえっても縁のない言葉ではあるが、きっと凄いものなのだろう。いやそうだろうか。それを評価するのは一体誰なのだろう。そんな疑問を持っていないでもないが、凡人のぼやきとして風が吹けば飛んでいくような軽いものだろう。ちょうど黄な粉のようなもので砂糖を混ぜれば甘いが、舞って鼻に入ったらくしゃみがでるだけである。

 ところが、海外に住む日本人・日系人・アメリカ人にも日本や日米間における功績を評価して勲章が与えられることがある。詳しい内容や勲何等という受賞レベルなどは知る由もないが、ここコロラド州在住の方々も何人かが受賞されている。

 名誉という名の証でもあるが、誰がそれを評価するのであろう。前述のように日米間の交流などに多大な功績を残された方ならば地元の人はもとより、日本の人もそれを知っているだろうし賞賛するに違いない。土地のコミュニティーの人たちが代表者を立てて日本政府にその評価を仰ぎ、推薦し、受勲者選考会に入れて審査をしてもらうのであろう。

 軍人のように胸を張って話すべきなのだろうが、恥ずかしい話がある。ある方は政治的な交流に長けており、地元の在米日本国総領事館に入り浸って根回しをもって功績を上げた方である。これも恥ずかしい話ではあるが、デンバー総領事館は数年前に総領事の汚職で日本でもテレビや雑誌で有名になったが、実情については他の機会に書き綴ろうかと思っているので省く。その方の業は報われ、勲何等かをもらったらしい。不思議なことにその人の勲章受賞に至る話が噂として流れ始めていたのである。

 噂など半分は嘘であると私は思っているが、後の半分はもっぱら嘘ではないかもしれない。日のないところに影はできない。いや、違った。火のないところに煙はたたない、だったが、煙は後ででてもらうことにする。どちらも似たようなものであるが、何かしらの事実があるのは確かだろう。興味深かったのは、地元コミュニティーの中でその方の勲章受賞を薦めた人がいなかったということである。地域社会に貢献してもいるはずの方がなぜ推薦さえされずに勲章を受けられたのか。不思議なことではあるが、地元社会からの推薦なく天皇陛下より勲章を頂戴した最初の人となった御仁は、根回しの功労の証を受けただけであるという話もあるが、本当ならば哀れなものである。また、根回しに踊らされた領事たちも情けないものである。

 勲章。それは威厳を持った独特のオーラのようなものを感じさせる人を思い浮かばせる。世の中のために、社会のために何かしらの分野で尽くし貢献した人たちが持っている目に見えないパワーのようなものである。視覚ではなく肌で感じるような不思議な尊敬に値するものである。

 燻製。スモークともいう。独特の臭いの木などを水に漬してから火に入れ、湿った香り多き煙を肉などに染み込ませて保存食を作るために発明された料理法である。政治工作。耕作となれば土を通して自然との会話があるが、政治の工作は自然とはかけ離れた汚いものもありえる。無理やりモスキートなどの燻製用の木を炊きつけて形だけはとるから表面にはそれなりの臭いはつくだろう。しかし、地元社会からの認識と推薦がないモスコート木は水がしっかりと染み込んでいないから、本物の燻製にはならない。臭覚で感じる軽い燻製の香りは、時と共にその魅力を失っていく。

 勲章。それは真意と信念を持って人に尽くした人に与えられるものである。

 
ページのトップへ
Copyright 2006 Kiyomichi Koike. All Rights Reserved

- KTSトラベルネットワーク -
- 小池清通フォトグラフィー -

Kiyomichi Koike (c) Copy Rights
著作権:小池清通
写真を通して感性を磨き
人生を考え書き下ろす
E-mail: kiyo@usa-japan.com