アメリカ実情 【小池清通】

 
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 エッセイ:  副大統領の狩猟事故                       4/2006

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        副大統領の狩猟事故
        テロ防止対策の実態 (1)

 少し前に米国副大統領チェイニーが狩猟中に仲間を撃ったという事故があった。幸い命に別状がなく、退院時に「政治的に」無難なコメントを述べていた「被害者」のインタビューが放映された。

 ブッシュ政権下のアメリカ合衆国は実証のない理由を未だに掲げてイラク侵略を継続している。その指導者の次の立場にある人間が、自爆テロや襲撃の犠牲になっている米兵やイラク人が数多くいる中、狩猟をして楽しんでいるということ事体が理解できない人もいるであろう。しかし、私が理解に苦しんだのはそれ以外にもあった。それは、この事故(事件)があった際に副大統領を含めた狩猟仲間が飲酒をしていたという事実があるらしいことである。しかも、駆けつけた警察当局に対して副大統領は、事情聴取は翌日にしてくれるように強要したらしい。明らかに飲酒事故であろう。

 ご存知のように内容的な理解アングルの誤差による感じ方の違いはあるにせよ、飲酒運転という違法行為がある。アルコールが体内に入ると通常の判断や行動が鈍るという事実とそれによる被害者が多い事実が背景にある。人をはね怪我をさせた現場に駆けつけた警官に「詳しい調査は明日にしてもらえないか。怪我をしたのは私の友人だ。」「おっと、もう知っていると思うが、私は副大統領だからね。」といったのと同じだろう。

 権力の間違った使い方は、職権乱用とも呼ばれるが、政治家が政治屋になる時代には誇りや責任感がなくなり、自己本位の防衛本能が作動するのだろうか。被害妄想に走り、主要調査機関が「ない」といっている多量殺傷能力のある武器を「ある」と信じ込み、中東に武力侵略。イラクは未だに米国に宣戦布告をしていないがイラク戦争という名称を無理やりつけて侵略を正当化。

 フセイン政権下イラク兵を入れていた刑務所での虐待が以前問題になった。ラムズフェルド国防省長官は、この事件が報道される前日にイラクでの軍事業務は優秀だと言っていた直後のことであった。それでも彼は人の上に立つ人間としての誇りを持って責任をとることなく現在も権力を持たされている。

 日本の歴史の中でお家断絶を免れるために腹を切った武士がいた。明治政府設立前後に命を落とした志士たちには誇りがあった。恐らく、ヨーロッパから宗教の自由を求めてアメリカに渡り、開拓を続けた時代の人たちには、誇りに似たような命を懸けた生活に対する執着があったと思う。そんなことを考えると、大国たるものが真剣に持たなければいけないものの本質がみえてくる。

 
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