アメリカ実情 【小池清通】

 
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 エッセイ:  ブッシュ

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 2003年3月12日水曜日。地元のデンバーポスト紙は特別ページを出し、イラクへの攻撃を急ぐブッシュ大統領に関する記事を載せていた。綴じ込みを入れて8ページほどのもので、イラクを中心とする中東諸国の地理的な位置や各主要都市のロケーションに加え、現在配置されているアメリカ軍部隊の状況まで知らせている。

 表紙には戦闘訓練をするアメリカ軍戦車と立ち上る砂煙の写真。この記事は時間が許せば要約文にでもして紹介したいが、どこまでできるかは約束できない。項目は、8つに分かれていて表紙が「The Conflict」となっている。「抗争」「ぶつかり合い」といった感じだろう。そして以下のような項目が続く。

 Saddam Hussein: Iraq's dictator
 Reaching the point of war
 The order of battle
 Germ, chemical agents the great unknown
 A culture of contrasts
 In the cradle of civilization
 Petroleum potential untapped

 マスメディアとして戦争への賛否を具体的に載せたものではないが、うまくまとめた特集だと思う。そんな中、ブッシュという現大統領が反戦の声を無視してまでフセインを憎む理由は何なのだろうと考えさせられる。彼の言動でアメリカ経済は崩壊に向かおうとしている。911で叩き潰されたアメリカの「平和」そして「安全」は取り戻せないものではないと私は思っていた。だが、それは「戦争」という「テロの最大級」行為による仕返しによるものではないし、「悪の主軸」と同等になりえる行為によるものでもない。もっと「プラス思考」による前向きな、本当の世界のリーダーたるべきアメリカが取り得る行為であったのではないか。アメリカ人の明るさを世界に広げることも戦争に走るよりはいい方向に思える。

 現在のアメリカのニュースを聞くと、アメリカ人は身勝手で戦争好きな国民のような先入観を植え付けられてしまうだろう。私が言いたいことは、確かに戦争に走る大統領を支援する国民も少なくはないが、戦争はブッシュの選択であって、本当のアメリカ国民の選択ではないということである。アメリカには、心の温かい人が多い。しかしそういうイメージよりも、物質主義で資本主義にのっとり金の勢いで生きている人のそれの方がインパクトが強く消えにくいものがある。同様に見れば、前者は本当の働く勤勉なアメリカ人であり、ブッシュは後者にあたるかもしれない。

 オイルマネーが絡んでいるという。イラクには世界で有数の油田が眠っているという。戦争をしてまで、その統治権にコントロールを入れようとする真の理由は、サダム個人に対する感情というよりも戦後の油田の利権またはそれに順ずる価値的なパワーにあるのではないだろうか。「石油的」魅力のない北朝鮮には戦争を仕掛けようとはしていないのは、単に政治的な理由だけではないだろう。

 ハリウッドではアカデミー賞受賞式の準備が進められ、受賞候補に上がってる俳優たちがテレビによく出る。アメリカはドリームを売る国だと言われる。近代的な技術などによる装備や商品の開発や販売はもちろんであるが、世界の人々が「夢」を持てるようなそんなイメージがある国である。

 アメリカは多くの問題を国内に抱えている。それでも、人々は将来を楽しみに毎日を生きている。「夢」のある国、アメリカ。

 3月11日にMOAB(俗称:Mother Of All Bomb、正式名:Massive Ordnance Air Blast)という巨大爆弾のテストがフロリダ州エグリン空軍基地敷地内で行なわれた。イラクという中東の一国に武装解除をさせようとしている国が、その武力行使を正当化しようと国連でもめている真っ最中に新兵器開発のテストをした。イラクへの「牽制」であり「威嚇」であることは確かであるが、ブッシュ政権になってからどこかアメリカの気質が歪み始めているような気がしてならない。

 「MOAB」モアブは、ユタ州西部にある小さな町である。私の好きなアーチズ国立公園、キャニオンランズ国立公園へのゲートウエイにあたる観光ポイント。頭文字がちょうど同じになってしまったこの町の人は、爆弾と一緒にされていい迷惑をしているという。

 補足:M.O.A.B. 航空投下用の18,000 lb.(8.1 ton) 巨大爆弾で、飛行機後部から投下しなければならない。地面の1メートル弱くらいのところで爆発し、破壊的な炎の波を数百メートルに渡って走らせる。ブッシュ大統領の命令しだいで、イラクへでの使用もあるえるという。


 
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