アメリカ実情 【小池清通】

 
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 エッセイ:  アフガン孤児

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 アルカイダ撲滅を理由に空爆が始まったのは2002年初めであった。その前年9月11日の同時多発テロ事件に対する報復行為である。最初はニュースでも放送が多くあったが月が経つにつれ話も聞かなくなっている。とはいえ未だに何らかの武力行使は進められているらしい。

 戦争から逃げ落ちた人たちの中には孤児になった子供たちが多い。そんな中でボランティアに生涯を尽くすアメリカ人女性の話をテレビで聞いた。名前までは覚えていないが40年くらいアフガニスタンに住み、今はもう初老を越えた年配の方であるが、タリバン政権の時代はもちろんアフガン空爆後もずっといる。

 親を戦争で失った子供たちの捜しては無料で医療施設などを斡旋し世話をしているという。瓦礫の山の中の一角にスペースがあり、数人の10歳前後の子供たちが埃一杯の肌を寄せるようにして固まっていた。彼女は優しく笑顔を見せて近寄っていくが、子供たちは脅えて小刻みに震えている。恐怖と生死の間を生き抜いて来た子供たちなのである。私には想像も出来ない状況を見てきているのだろう。

 そのうちの一人が足に障害(被弾したか何らかの骨折からきたもの)を持っており、うまく歩けない。その子をすぐに救い出し、医療施設に連れて行く。どのような施設かは説明がなかったが、そんな繰り返しをする彼女の顔には、人助けをしている満足感はなかったのである。なぜなら、彼女の力では救える子供たちの数が限られているからだという。もっともっと多くの子供たちが救いを求めているという。

 そんな中で彼女の仕事は毎日続いている。一人の人間の人生。キャピタリズムが生み出す物欲に踊る近代国家の最先端を行く人たち。アメリカはそんな人たちばかりのように思われているが、中には人生をすべて人助けにささげている人もいることを忘れてはならない。そしてそこまで出来なくても、彼女のような人に資金や物資援助をする団体や個人がいることも救いであるように思える。


 
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