アメリカ実情 【小池清通】

 
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 エッセイ:  アフリカ孤児

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 この章の最初のエッセイに書かせて戴いた方と似ている。私の住むコロラド州デンバー近郊に住むご夫婦の話である。どのような経歴の人たちかまでは知らないが、リタイヤされてからアフリカに移って現地の孤児たちを助けるために学校を作り補助をしているという。アフリカ大陸は大きい。その中のどの国かまでは聞かなかったがロケーションは問題ではないので省かせて戴く。

 国の政府から承認を得てからすぐに学校施設を建てたらしい。施設といっても近代国が持つような冷房完備の鉄筋コンクリート、アルミサッシ、水洗トイレ、運動場、芝生、公園付ではない。バラック建てのものから始まっている。

 子供たちは孤児である。教育だけではなく食糧の補助も必要であるから夫婦で、現地のボランティアの手も借りて子どもたちの世話をしている。報酬はない。まったくのボランティアである。子供の数は100人を超え、新しい施設の建設が必要になる。そして、それに伴って新しいボランティアも必要となってくる。必要経費は増大する。

 その夫婦が年の半分はアメリカに戻る。一生をアフリカで送るつもりがないからでという理由ではない。彼らが戻ってくる理由は、施設運営のための資金をファンドレイジング(基金集め)などを通して得るためなのである。そんな考えと行動力を持った夫婦が2人の時間や意欲を捧げても限りがでるのが資金なのである。

 何十年もこの往復と現地での活動を続ける夫婦を支えているのは、目に見えない数のアメリカ人たちなのである。彼らは自分の収入の範囲で献金できるものを基金に寄付している。お金で出来ない人は物を寄付したり、自分の時間を寄付して献金処理を受け持ったりするのである。この助け合いのパワーは凄い。

 確かに様々なグループや団体が多すぎてどこがまともなのか分からないところもあるが、日本では恥ずかしいからとか、良いことをしているにもかかわらず人に見られたら嫌だ、というのとちょっと違う。宗教的なバックグラウンドからかもしれない。移民の国だという歴史的な精神構造からかもしれない。アメリカの歴史は浅いが、アメリカ人の精神構造の多様性は他に類がないかもしれないのである。

 
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