アメリカ実情 【小池清通】

 
写真家【小池清通】
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 エッセイ:  反戦の動き

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 2003年2月11日。いつものように朝刊に眼を通していた。イラクへのアメリカの攻撃の不安が、既に不況という状況で苦しむ国民を襲っていた。そして、その不安は宣戦を公式にしようという勢いを見せるアメリカ在住者たちだけのものではなく、世界中の人々に浸透している。いうまでもなく、その攻撃対象にされているイラクの一般人のそれは私たちの比ではないであろう。また、アフガニスタンの人々がそうであったように、アメリカが攻撃をかけてくる可能性があることさえ知らない貧困状態の人も少なくないであろう。

 アメリカ人は自分が常に正しいと思っている。と言われる。自信過剰なのだろうか?

 人間は完璧ではない。正しいと思っても、それが対象となる人たちにおいては「正しくない」こともありえる。押し付けた「正義」はただのお節介にしかならないと思う。方言が入るが「いらんことしい(余計なことする)お節介。そっとしておく思いやり」と私はよくいう。イラクの情勢を私は詳しく知らない。また同国および中東諸国の歴史や政情を知って何かしらの判断をするほどの情報や教育は受けていない。だから、アメリカがしようとしていることが正しいとも誤っているとも判断しかねる。

 しかしながら、一つ明確に言えることは、戦争はいけないということ。戦争はテロの最上級であり、罪のない犠牲者が必ずでる。戦争に犠牲者はつきものだ、と言いきる人がいるが、自分が体の一部を落とし、身近の愛する人間を失っている経験のある人にそこまで言いきれる人は多くいるだろうか。

 新聞の記事はアメリカ国内でも反戦の精神が高まってきているというものであった。載せられていた記事は「War Story」と題され取材された方々は、第二次大戦中強制収容所に入れられた日系女性、参戦し戦った経験のあるベテラン、予備兵のご主人が中東に出兵し家で安否を気遣う現代の人、ご主人を戦争で亡くし2人の娘を育てた女性などであった。戦争未亡人のこの女性は先にワシントン DCで行なわれたイラクへの攻撃を反対する反戦デモに娘さんと共に初めて参加したという。

 アメリカは経済力を持って世界の大国としての地位を得た。キャピタリズムの名の元にマネーパワーで世界をコントロールしてきた。物欲の世界。キリスト教というすばらしい宗教をもちながら、自分の頬を打たれるとすぐに復讐に走る国。他国の情勢にちょっかいを出しながら、自国内の問題を軽視する傾向。石油絡みの裏のつながり。武器商人たちの存在。ユダヤ人とイスラエルのつながり。イスラエルの中東における存在と意味。さまざまなことが現実的に、飛び回リ過ぎて、方向感覚がなくなっているような鳥たちのようなシーンが見える気もする。

 この老女の写真が載っていた。バンパーステッカーというバンパーに貼る大きなシールを掲げていた。

 「America's Problems won't be solved in a war against Iraq.」

 自国内の問題を外に振って国民の指示をコントロールしようとするのは、このすばらしい国を愛する国民ではなく、国を治めるべく力を与えられた政治家たちなのが残念である。

 
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