不思議 【小池清通】

 
写真家【小池清通】
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 エッセイ: 存在

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        天罰

 

 目に見えないものの存在を信じるか信じないかはそれぞれの主観と経験による。そうは言いいながら、また有り得ることだと信じていると思っていても、身近に何かの気配を感じつづけると心理的にそれを否定してみたりするのは人間の面白いところである。

 実は私の住んでいる家には、ある「スペース」がある。住み始めて5年になる家であるが引っ越した時にあったその「フィーリング」は今も変わらずある。人に危害を加えたり、ポルタガイストのように物が飛んだりする物理的な「動き」や「表現」は全くなかった。ただ何かがいる気配がかなり顕著に私には感じられていた。

 以前この家に住んでいた誰かが作ったスペースは地下室の奥にあった。部屋を作ろうとしたようであったがドアはつけられていない裸のスペースで、私は物置の代わりに少しの箱や書類を入れていたが完全な物置としては不思議と使っておらず、他の地下室のスペースに箱たちは高々と積み上げられていたから、これも不思議な私自身が無意識にしていた行動だったかもしれない。知らずに避けていたらしい。

 私は霊やパワーを動かす儀式や作法は知らない。ただ何か感じると手を合わせるだけであるが、ちょうど親しくしているIさんが訪問された時に何気なくこのスペースに案内した。私も電気をつけないととても入れない「スペース」であったが、思いきってIさんに見てもらおうと思ったのである。

 危害を加えないとはいえ何かの存在の気配はかなり強く、私もそれが何なのか分からないままここで生活している。供養すべきものなのか出ていってもらった方がいいものなのか。そんな思いでいたのであるが、Iさんは即座に何かの存在を感じ入り口の手前で足を止めてそれ以上進もうとしなかったのである。私は中に入っていた状態だったが、すぐに出てきて上の部屋に一緒に戻った。

アメリカの家は地下に部屋を作る場合には必ず窓を部屋に含めなければいけない。非常時の逃げ出し口として方が定めたことである。しかしこの奥の部屋には窓がなかった。何に使った部屋か全く分からないが、法的許可を得ずに作ったスペースであることは確かであった。

 Iさんは言った。「そっとしておいてもらいたいんじゃない?」

 この一言で気持ちが楽になった。しかし、その翌日の夜にIさんと電話で話をした時に一瞬息が止まった。話辛そうにIさんがその部屋を覗いた時のことを話したのであった。

 「実はね、その時着けていた水晶のワンドが割れたんです。」

 
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