不思議 【小池清通】

 
写真家【小池清通】
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 エッセイ: 天罰

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     不思議な体験(1)
       
        シンクロ
        あるスタバで
        霊気での会話1
        霊気での会話2
        霊気での会話3
        チャレンジ
        祖母
        出会いとその意味
        子牛
        無意識行動
        電話
        存在
        落下事件
        落雷
        口に出すこと
        天罰

 

 何年も前の話である。日本から引っ越してきたある女性が私の会社のサービスを利用してくださった。アメリカ人の旦那さんと二人の幼い息子さんのいる活発な女性であった。少し方言が強かったからという理由ではなく、話の仕方や感情の伝わり方から邪気を感じさせる方であったが、プロとして最善の対応をしたのを覚えている。

 コミュニティーのピクニックなどに参加して自分なりに友達を作ろうとされていたようであったが、なぜか横の広がりができず「文句」を言ってきた。私はそれほど詳しい彼女の人柄を知らないから当たり障りのない程度の助言を与えたのを覚えている。

 その後再び仕事を頂いた。特別な料金が出ていて大変格安な航空券手配サービスができたので私は満足していたのだが、彼女が突然噛み付いてきた。彼女のご主人が勤めている会社が航空会社であったため、そこを通すと特別サービスを加えることができると言い出したのである。旅行会社で出せるものと航空会社同士で同意して出せる従業員特典というものは全く違うものであったが、彼女はご主人の会社で出せるものを何故私の会社では出せないんだという言いがかりを頭にして罵り始めた。私は、旅行会社と航空会社との取り決めと、航空会社間で交わされている各社員への特典とは全く違うものである説明を丁寧にしたが、彼女の悪寒は治まらないばかりか、罵りがさらに醜い言葉となって飛んできたのである。

 私は正直に説明しても感情と怒りだけで叫ぶ彼女が気の毒に思えてきた。同時に、何かにまるで取り付かれたように我を忘れて罵倒を続ける彼女が哀れに思えていた。事実をありのままに説明し誠意を尽くしても理解してもらえない人は救えない。私は丁寧に今までのご好意に対する感謝の言葉を述べ、叫び続ける彼女との会話を終えた。

 その後何年位したのだろう。普段目をしっかりと通さない地元の新聞のあるページに引き寄せられた。ある日本女性の名前が書かれていたのだが、どこかで聞いたことのある名前であった。「○日xxでAさんが死体で見つかる」まさかと思ったが、思い出してみると彼女と同姓同名で、記されていた年齢もそれらしかった。一度切符の配達にご自宅まで行ったことがあったが、優しいご主人で息子さんたちもはしゃいでいる様子があったが、彼女がご主人にかなりの虐待をして病院沙汰にまでなっていたという経歴があったという。ご主人はそれに耐えながら生活していたらしいが、彼女は自宅の車庫から公道に向かって伸びる道に倒れていたという。

 ご主人が容疑者ではないかと事情聴取を受けたが、無罪と判断され、周りの知人たちも彼が虐待を受けていたことを知っていて同情はしても疑うことはなかった。実際に何があったのかは分らないまま、この事件は終わっている。数日後人の噂で遺体を引き取りに日本から来たご両親の言葉を聞いた。「あの子の性格だから、こうなっても仕方なかった。」と言われたという。

 天罰なのだろうか。それとも、何かを教えて消えていっただけなのだろうか。それは天のみが知ることかもしれない。

 
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