霊気 【小池清通】

 
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 エッセイ: 霊気での会話3

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 霊気を帯びた怪しいオーラが.... などというと構えたくなったりする人もいるかもしれないが、毎度お馴染みのCさんと再会する機会を持った。場所はお気に入りのパン屋さん。横がレストランになっているから、一口サイズといっても普通サイズの口の人なら二口くらいの、パンを数種類食べられるという所で数時間話ができた。

 前回は会話中に空が動いた。今回は何が起こるのだろうと楽しみにしていたのだが、私の座った席の横にある、外が見えるガラスの所に時々白い服を着た人が立っていたのが感じられただけであった。ちょうど私の右横のあたりにガラスを隔てて数回現れたのは、頻繁にある霊の出現だったのだろうが、話に花が咲いていたから気にもならなかった。相手にされないことを感じたのか、知らないうちに霊は消えていった。

 夕焼けが周りを明るくし、店内も少しオレンジっぽい色になったかと思ったら暗闇が押し寄せていた。内装の色が際立つかのように照明の明かりが主導権をとって輝き照らしていた。そんな時にCさんが少し乗り出すように話に熱をいれ始めた。

 不思議な雰囲気がしていた。「いつものように顔が変わりそうですね。」茶目っ気を出して私はCさんをからかった。そんな言葉も忘れてしまうほどに話があちこちに飛び跳ね出すと私も知らないうちにあちこちの世界に体を吸い込まれるように飛び回った。

 ふと気がつくとやはりCさんは誰かの顔になっていた。話の調子が微妙に変わり、また話題が変わった。前回見たことのある顔があった。時間は止まることなく、少し早めに流れていた。Cさんが筋肉の緊張を全て解き放ったかのように顔を笑顔でうずめて私に話していた時それが別人の顔に思えて、誰だろうかとその時は考えている自分がいた。親しみのあるあの笑顔。目はCさんのそれではなくどこかで見た身近な人のものであった。

 会話が終わるまで分からなかったが、Cさんの最後に見せた笑顔は私の亡き祖母のそれであった。きっと私と話をしたくて降りてきてくれたのであろう。そう思うと思わず目頭が熱くなった。

 
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