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私から見れば、ある意味で先輩にあたる人の話をしたい。先輩といっても一緒に長い時間を過ごしたり、汗水たらして働いたり練習を共にした仲の人ではない。単に同じような道を進んでいるのかもしれないと同調できるという意味の人である。だから、そのご本人は私のことすら覚えていないかもしれない。そんな一方的な感覚ではあるが、私自身は励みやエネルギーにさせてもらっているから有難く思っている。
実際にAさんに直に会ったのは一度だけだったと思う。俗にいう「波乱万丈」の人生を送っておられる方だという。「波乱万丈」などという表現を私も度々頂戴したことはあるが、第三者が「何か」と比較して主観的に口に出す言葉だろうとしか私は思っていないので、私風の表現をさせていただければ「チャレンジ」多き人生を送っている羨むに値する人だと思っている。
Aさんの細かい経緯は省くが、スピリチャルな力に目覚めていろいろと活動をされているらしい。ビジネス的にも成功をおさめあちこちに足を運んで修行を積んでいると伺ったが、自己宣伝のレベルが何故かかなり高く感じられていた。そんなAさんのセルフ・プロモーションの動機というか理由を私は知りたかった。そんなところだけに私の興味が集中したといってもいい。
知り合いの紹介である集まりに出た。Aさんも来られておりいろいろな話を伺った。話し慣れてしている方らしく、うまく聞き手の合間を取りながら独特な世界を作り上げているかのようにして、笑顔で対応していた。自己紹介の時には宣伝ビデオの類までお持ちで数分ではあったが鑑賞させて頂いたのを覚えている。
特に感動するようなビデオではなく、何がそこまでAさんを駆りたてるのかと思うようなものがいくつか目に付いた。別の場で直接話をする機会を頂いたのが、幸いした。直接話せるのであるから間違いない。しかし、Aさんの心の真髄が私には見えなかった。いや見えなかったのではなく、Aさん自身がまだ自分自身を理解し得ていないのだろうと思ったのである。
話の流れの中で私もついついしゃぺってしまう場面がいくつかあったが、どうもAさんとは波長が合わないらしい。ぎくしゃくしてきた。いや、何かを感じ取られてそういう態度を示したのかもしれない。偶然が意味を持って、さまざまな結びつきを招いたりする話があった。なるほど肯けることもある。たまたまい合わせたほんの十数人かの誕生日を聞いてみると、驚くことに3組ほど年は違うが誕生日が同じ人達のペアがいた。得意げにAさんは、そんな偶然性と人との関係を話していたが、私に意見の順番が来たのを最後に口をつぐんだ。
理由は分からないが、Aさんとたまたま同じ誕生日であった私を知った途端にその話を切り上げて、話題を即座に変えてしまったのである。結局4組も同じ誕生日のペアがいたことになる。
Aさんは恐らくビジネス感覚が強く経済的なゴールを達成する方に欲が動きすぎているのだろう。しかしながら、持って生まれたギフトにはかなり気づいておられるようであり、また、そのギフトを如何にして捜し、理解するかに奮闘しているように私には思えたのである。
お金では買えないギフト。そして、どんなに社会的に地位を得ようと、そのギフトを活かすには自分自身が原点に気を落ち着かせる能力を持たなければ絶対にできない。そんなチャレンジをAさんは感じさせてくれたのである。
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