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Great Sand Dunes National Park & Preserve - Mosca, Colorado USA
砂漠の魅力とは何でしょう。荒涼とした大地に積もったとてつもなく巨大な砂の丘群を包むように聳え立つロッキー山脈の一部サングレ・デ・クリスト(キリストの血という意味)山脈は砂丘を呼び込んだような壁の役割をもって見下ろしています。そして西に広がるサンルイスバレーは、渓谷と呼ばれてはいる盆地だが巨大すぎて平野と呼ぶほうが相応しい規模の空間。風が運んだ砂がこの一帯の生態系の一部を形取っている。過酷と思われる気候の中で多くの動植物たちが順応して力強く自然の流れの中で微妙なバランスを保ちながら生き続けます。単調にも思われがちな砂漠、砂丘の中に繰り広げられる光と影の妙技は感性をくすぐるばかりか鋭く磨きをかけ、大砂丘の声が聞こえる時に、また見たこともない光景が目の前に広がる気がします。標高2,400bに横たわる北米でもっとも高い大砂丘は常に何かを話しかけてくれます。
質学的にみても不思議な地域で、砂丘群は30平方マイルに渡ってて広がっています。1932年にハーバート・フーバー大統領の署名で国定公園に設定され、その自然保護地域は1976年に設立され、2000年にグレイト・サンド・デューンズ自然体系総てを保護する国定から国立公園へとする拡張活動を米国議会承認の元に始めました。この条例によって現在ではアルパイン地帯の湖、ツンドラ地帯、6つの標高3,960bを超える山々、古代からの樹齢を持つトウヒや松の森林、草地や湿地帯を含めた巨大なエコシステムを保護し、多くの野生動物や植物を保護しています。 (コロラド州モスカ)
アメリカ中西部ロッキー山脈に悠然と存在する大砂丘。何万年も前から繰り返される風と水の営みが大量な砂を蓄積させ砂丘群を形成しています。その生態系に順応した動植物が今も昔と変わらぬ命の継続を続けている姿は素晴らしいものがあります。風の音、季節によって姿を現すメダノクリークのせせらぎの音、動物が動く気配、音が観えてくるような周りの情景などが、訪れるものを癒してくれます。それは人間が潜在的に感じている自然との絆ではないでしょうか。
写真撮影を通してそんな強い感覚を日々持ち続けています。コロラド州南部に存在する砂漠地帯に横たわる大砂丘が何を語ろうとしているのかを、私は知りたいと思っています。
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