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ユタ州モアブ Moab をベースにした撮影ワークショップを開催しました。撮影地としてはコロラドプラトーの美しさを象徴するアーチズ国立公園 Arches National Park 、キャニオンランズ国立公園 Canyonlands National Park 、そしてデッドホースポイント州立公園 Dead Horse Point State Park を訪問し、それぞれの撮影ポイントを案内しながら、撮影における技術指導だけではなく自然とのつながりを持つことによって写真がどう変化するかというところまで指導。各公園にあるトレールを利用したトレッキングも適度のチャレンジを与えてくれ、それ故に得られる適度の疲労が撮影における集中力を養ってくれます。
想像を絶するスケールと景色が与えてくれる印象や衝撃が、感性というギフトをワークショップを通して磨き上げてくれました。日々与えられる条件の中で、撮影ポイントを選択して撮らせてもらえたことが内容を充実させてくれました。
サンプル画像 撮影機材: Nikon D3s
■ デッドホースポイント州立公園 - Dead Horse Point State Park
コロラド川が削り取った渓谷美が引き込む魅力
うねるようにして蛇行するラインが
大地との共演をしているかのように思える
■ キャニオンランズ国立公園 - Canyonlands National Park
コロラド川が削りだした渓谷が
まるで大地にかぶりついた様な痕を残している
グリーンリバーの侵食
国立公園内 Island in the Sky 西側渓谷風景
このスケール感は生で見ていても把握し難い
メサアーチからの日の出直前の表情
少し前まで空を占領していた星たちが姿を消し
闇を破るようにして光が広がる
メサアーチからの日の出直後の表情
この美しい光景も季節により、そして日によって様々な表情を魅せてくれる
太陽の光が眼の奥に刺さるように飛んでくる
そして、静寂を保っていた岩肌に炎がともる
■ アーチズ国立公園 - Arches National Park
急勾配でメサの頂上に向かって登り出すと
その様子を覗き込むように巨大な赤岩が出迎えてくれる
気の遠くなるような歳月をかけて蓄積した土壌が岩となって隆起し
その硬度と隆起した位置や形状によって侵食の洗礼を受けながら
私たちの眼に刺さるようにしてその姿を現し話しかけてくる赤岩たち
テューレットアーチ - Turret Arch
断層の動きが作り出す隆起、衝突
風や水が与える侵食が、それぞれの形を創り出す
流れ行く雲までが、囁きかけるかのように微笑んでいる
ダブルアーチ - Double Arch
まるで大空を引き込むかのように大きく開く2つのアーチ
ラサール山系 La Sal Mountain
ファイアリーファーニス Fiery Furnace
未知の世界を教えてくれる
ドクロアーチ Skull Arch
巨大な岩がフィン状に隆起する合間を抜けるように
道なき道を進むと、自分たちの存在そのものが
如何に小さなものかを思い知らされる
エデンの園 Garden of Eden
様々な表情で隆起する岩たちが語りかけてくる
古の時代から、気の遠くなるような歳月をかけ
彼らは「今」を生きる我々にその姿を魅せる
岩肌に刻まれたラインが、長い歳月の間の地質変動を物語る
砂漠気候に適応し生きるジュニパー Juniper
ランドスケープアーチ Landscape Arch
地質変動の偶然と、岩質そのものの積み重なりが
侵食という職人の手によって芸術として残される
ダブル O アーチ Double O Archr
バランストロック Balanced Rock -
迫り現われざわめく影たちを導いた夕日は
音もなく、静かに姿を消していく
忙しなく流れ騒ぐ雲を見上げるように聳え立つ
何を思って私たちを迎えてくれているのだろう
まるで別の星にいるような波動を放つこの景色は一体何んだろう
光が影を創り出し、影が光を引き立てる
そのバランスの中に自然の造形物がその存在の意味を与えられる
(2011年3月)
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