北アメリカ大陸の砂漠・荒野・大砂丘の魅力
四半世紀の北米大陸での人生の中で「自然とつながる時」が私を常に充電し浄化してくれました。与えられた命の火が尽きるまで、この誰もが受けることのできる恩恵を大切にしながら写真作家として作品を世に紹介していきたいというのが私の夢です。暖かいご支援のもとで前向きに進む力を与えられ、魅せられ撮らせてもらった作品が多くの人の目に焼き付けられてきました。一つの役割として、自然の代弁者としても写真という素晴らしい表現を使って自然との会話を続けられるのはとても幸せなことです。
私の住んでいるコロラド州は、アメリカンロッキーの中心にあたる地域で州(日本全土の約74%)の2/3が山岳部に覆われており、平均標高がアメリカ50州の中で最も高く2000メートルを越えています。縦断してその存在感を誇るロッキー山脈は、北にあるカナディアンロッキーとは地質学的に形成のスタイルが違うもので、独特の表情と広大さが魅力です。サングレ・デ・クリスト山系を東にして横たわるグレイト・サンド・デューンズ(大砂丘)国立公園は北米一標高の高いところにある砂丘群(標高2500メートル)で、その雄大な景観ばかりでなく高山から平野部に至る生態系には目をみはるものがあります。砂漠地帯に魅力を感じたのは、この砂丘のお蔭と言ってもいいくらいです。
コロラドプラトーと呼ばれる古代の内海が隆起している高原は、このコロラド州とユタ州、アリゾナ州にかけて横たわる広大な地域で、グレイトサンドデューンズの存在するサンルイスバレーよりも山脈を越えた西側にあります。映画でもよく使われる、あのモニュメント・バレーやキャニオンランズ国立公園、アーチズ国立公園などもその地域にあります。砂漠・荒野という地域ですが、特徴として砂岩性赤岩(レッドロックス)の表情が見事です。
一生をかけても回りきれないこの広大なエリアに心を開くことによって、訪れる度に魅せてくれる自然の表情も今後も撮影を通して捉えさせて頂き、多くの方に見て頂けるよう発表していきたいと思います。
小池 清通
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